いつもお読みいただきありがとうございます。管理人のけいすけです。
聖教新聞に連載されている「新・人間革命」が終了すると創価学会界隈ではもっぱら話題になっています。
しかし創価学会に縁遠い人からすると「人間革命」って何?「人間を革命する」って、やばいことなの?と思うかもしれません。
そこで「人間革命」とは何かについて書いて見たいと思います。
人間革命の意味とは
「人間革命」とは、仏教用語ではなくて創価学会用語です。
ものすごくざっくりいうと、「自分をよりよく変革して、人間として成長すること」を指す言葉です。
創価学会のサイトでは以下のように説明されています。
「人間革命」とは、自分自身の生命や境涯をよりよく変革し、人間として成長・向上していくことをいいます。
戸田先生が理念として示し、池田先生が信仰の指標として展開しました。
人間革命とは、現在の自分自身とかけ離れた特別な存在になることでもなければ、画一的な人格を目指すことでもありません。万人の生命に等しく内在する、智慧と慈悲と勇気に満ちた仏の生命を最大に発揮することで、あらゆる困難や苦悩を乗り越えていく生き方です。
また、日蓮大聖人は、「冬は必ず春となる」「大悪を(起)これば大善きたる」などと、人生において直面するいかなる困難をも前向きにとらえ前進のバネとしていく変革の生き方を説いています。この哲学を根本に、会員は人間革命の実践に日々取り組んでいます。
そして「人間革命」とは、この考え方を主題にした池田大作さんの小説のタイトルでもあります。
この小説は創価学会の新聞である「聖教新聞」に毎日連載されてきました。
「人間革命」の続編にあたる「新・人間革命」が連載されてきたのですが、
それがいよいよ完結するという話です。
実家の棚にあった小説「人間革命」
この「人間革命」という本はお母ちゃんの棚に並んでいた分厚い本でしたが、
当時のわたしは一切手をつけずにいました。
学会活動をしていると「人間革命を読みなさい!」、「人間革命から池田先生の思想を学ぼう」と仕切りに言われるのですが、入会後もそこは踏み込めずにいました。
「日蓮仏法の教えには興味があるけれど、池田大作さん個人の教えに染まりたいわけではない」
というような考えがあったからです。
だから、いわゆる「教学」の勉強は日蓮仏法の基礎勉強と捉えて任用試験を受けましたが、
もっぱら池田先生が書かれた「人間革命」という本には触れないでいました。
最近単行本を読み始めました
ところが、つい最近単行本の「人間革命」を読み始めました。(新ではない方です)
と言うのは、先日から記載の「大学校」でも人間革命を読むように勧められて、
最初は山田さんに、
「仏法を学びたいので教学は勉強するが、池田大作さんの考えを学びたいわけではないので小説は興味がない」という趣旨の話をしていました。
すると山田さんから、
「たしかに教学は大事なんですが、そればかりやっているとなんというか、頭でっかちになってしまうんです。」
「人間革命を読むと、けいすけさんが時々疑問に感じている「創価学会の熱いノリ」みたいなのがどこから来ているのか、どういう時代背景からそうなっているのか、などなど色んなことがわかると思いますよ。」
という話がありました。
食わず嫌いだった学会活動も入会してみると結構よいと感じることが多かったので、
ここは素直に一度読んでみようか。と思って読み始めました。
どんな内容なのか
これが読み始めてみると意外に(失礼)面白く読めています。
というのは、何か歴史小説を読んでいるかのような感覚になるからです。
知らない人からすれば「人間革命」って怪しい自己啓発書で洗脳して人間を変えちゃうの?と思うかもしれませんが、かなり正当な「小説」です。(まあ人間を変えちゃうのはその通りかもしれませんが。)
元外交官でキリスト教信者だけど、学会に理解を示す佐藤優さんも
以下の記事の中で「『人間革命』は、昭和史を描いた小説としても楽しく読むことができる。」と述べています。
その通りで、戦後のGHQやマッカーサーが日本にいた時代の雰囲気がよくわかる内容になっています。
「人間革命」の第1巻は第2代会長の戸田城聖さんが戦時中に投獄された巣鴨刑務所から出所ところから始まります。
これは池田大作さんが入会する以前の話です。
(創価学会を池田さんが作ったと思っている方はこちらをお読みください)
戦中戦後の混乱の中で、まさに命をかけて「信心」をしていく人たちのエピソードが昭和の色々な歴史イベントと共に繰り広げられております。
わたしは高校が世界史選択のせいか、日本の昭和史ってふわっとしか知らなかったのですが、GHQと日本政府の関係や当時の米ソの関係(とそこに振り回される国々)などの状況が非常によく描かれています。
その中でもいかに創価学会が立ち上がって行ったのか。
今の姿になるまでに何があったのかが(池田大作さんの視点ではありますが)とても丁寧に書かれています。
山田さんのいう「創価学会の熱いノリみたいなのがどこから来ているのか、どういう時代背景からそうなっているのかがわかる」というのは本当でした。
人間革命と新・人間革命の違い
知らない人からすると、同じ内容のリバイズ版なのかと思うかもしれませんが、既出の通り人間革命と新・人間革命は小説であり、続きものです。
こちらが「人間革命」
こちらが「新・人間革命」
この小説では池田大作さんは「山本伸一」という人物名で登場します(それ以外は実名で描かれているようです。)
人間革命は山本伸一(=池田大作さん)の前任の会長である第2代会長の戸田城聖さんが戦中に投獄された巣鴨刑務所を出獄するところから、山本伸一が第3代会長に就任するまでを描いています。(まだそこまで読めてないけど)
そして、続編である新・人間革命は第3代会長の山本伸一が海外へと創価学会を広めようと活動をしていくところから始まり、今の創価学会の姿になっていく様子が描かれています。
ちなみに、戸田城聖さんも「人間革命」というタイトルで小説を書いていました。
このときの著者名は妙悟空(みょうごくう)です。池田大作さんが書いている方の人間革命の著者名は法悟空です。(ドラゴンボールは関係ないです。悟空の意味はまた別途)
こちらが戸田城聖さんの「人間革命」
書いてあることは本当なのか
で、多分創価学会にアンチ寄りの人は「歴史小説風だけどデタラメが書いてある」と言う人もいると思います。
正直わたしはその真偽がわかりません。
過去の資料を色々と調査して、小説との違いを指摘している方もいるようですし、
そもそも「著者の池田大作さんからみた歴史」である以上、主張や主観も入ると思います。
少し前に現代の創価学会の状況に合わせた改訂も行なっているみたいです。
と言う訳で、一部の人には「創価学会による歴史修正」と批判があると思います。
ただわたしは正直、半世紀以上前にあった出来事の真偽を確かめることにあまり意味を感じません。(歴史問題と言うのであれば別ですが)
なぜかと言うと、わたしが知りたいのは一つ一つの歴史事実以上に、「創価学会の考え方」だからです。
結局それが主観であれ「人間革命」には創価学会員の学ぶべき姿勢や目指すべき姿、実現したい世界観が表現されていることには変わらないからです。
創価学会の活動を通じて「人間革命」すること。
つまり「自分をよりよく変革して、人間として成長すること」が創価学会員の目指すべき姿。
さらに、その人間革命の連鎖が世界もより良い方向に変えていくのである。
と言うのが創価学会の「世界観」だとおもいます。
単行本1巻の冒頭には以下のように書かれています。
一人の人間における偉大な人間革命は
やがて一国の宿命転換をも成し遂げ、
さらに全人類の宿命の転換をも可能にする
創価学会の考え方を深く理解したいなら人間革命を読むと良い
創価学会の「考え方」について書いた本はたくさんありますが、多くの小説がそうであるように
「人間革命」、「新・人間革命」は読んでいる中で追体験的にその考え方を学べる最強のテキストのようです。
創価学会のことを理解したい人は是非読んでみてください。(わたしも読んでますが、まだまだ先が長いです。。。)
読んだ後、「最近なんか暑苦しくなったね」と言われたら、結構入り込んでいる証拠だと思います。